2022/02/17 20:00

皆様、こんにちは♪


無事に一周年を迎える事ができ、実店舗オープンの準備を進めるchunky cookieですが、改めて定番ブレンドを当時の制作エピソード等を交えつつ、4日間にわたって振り返っていきたいと思います。
※こちらのリンクより、1周年記念イベント概要と実店舗オープンに関する情報をご覧いただけます。
https://chunkycookie.theshop.jp/p/00006

本日は、定番ブレンド「木漏り唄」

chunky cookieオープンから二か月程経ってリリースされた三つ目の定番ブレンド「木漏り唄」

もともとショップの顔とも呼べるブレンドは3パターン欲しいという思いがあったので、オープンしてからまもなく制作が始まりました。
浅煎り系、深煎り系を携えてオープンした為、間に入る中煎り系のブレンドをラインナップに加えたかったという流れです。

「木漏り唄」は思いがけないところから軸が決まっていきました。
ある日、たまたまのんびりと焙煎をして飲んでみたコーヒーがメープルシロップの様に甘く、優しい味わいでした。
そのコーヒーは「ブラジル・モンテアレグレ」。何気なく焼いたこのブラジルのパフォーマンス力の高さから「この豆を軸に優しいブレンドを作ろう!」となったところから制作がスタートしていきました。

ブレンドテーマは「昼夜を問わず飲める優しさ」
モンテアレグレの持つメープルの様な甘さは優しすぎて少しぼやけてもいました。そこで、ホワイトハニーと呼ばれるコスタリカの豆で輪郭となる風味を加え、クレオパトラと呼ばれる豆で甘さの複雑味を加えつつ、キリマンジャロで全体の軽やかさを整えています。

4種類の豆のブレンドですが、これも大変な試行錯誤でした。
四つの個性が合わさる事によって情報量が多くなり、落としどころが見つかりにくくなっていきます。奥行きのある複雑さとごちゃごちゃしているのは全く違いますが、割と紙一重な関係性でもあるなぁと感じる試作でした。
立体感を出す為に加えるべき要素はあるものの、不必要な情報量を以下に減らしてまとめ上げていくか。そして、満足感がしっかりとありながらも飲み疲れないバランス感を取るかという難しいブレンドだったと感じます。

しかし、モンテアレグレのメープルの様な甘さの強烈なイメージが明確にあった為、軸がぶれる事は無かったように感じます。
蜜のような甘さをいかに引き立て、際立たせ、まとめていくか。これらを体現できる素材をあれでもないこれでもないと色々試しながら作り上げていきました。

ちょうど「木漏り唄」の制作をしている時期は、もっと手軽にchunkyを楽しめる様にとドリップバッグをリリースした時期でもありました。 最終的にドリップバッグシリーズは「定番ブレンドドリップバッグアソート」という形で、ミスカレイド、レミニア、木漏り唄を詰め合わせた形になりました。しかし、この頃はミスカレイドとレミニアにブラジル・モンテアレグレのシングルを同封する形のアソートを作っていました。
新作ブレンドの軸になる豆がメープルの風味でとにかく美味しかったから、まずはこの豆を飲んでいただきたかったんですね。
そして、モンテアレグレがどんなブレンドになるのかワクワクしていただけたら幸いという思いから、あえてブレンド素材をパッケージ無しで同封する形をとっていました。
それ程にモンテアレグレへの期待値と「木漏り唄」制作にかける熱量はすごかったですね笑
今、振り返ってみても一番苦労したブレンドは「木漏り唄」だったように感じます。

「木漏り唄」のパッケージを手掛けるのはイラストレーターあめこさん(あめこ🍬復帰さん (@ameko_biscuit) / Twitter)です。
当初、パッケージクリエイターさんは8名の候補者がいました。

ブレンド名やコンセプトにあった世界観の作風を軸に候補者を絞っていき、あめこさんにお願いをする事にしました。
あめこさんにお願いした理由は明確で「木漏れ日の様な穏やかさと子守唄の様な優しさ」という抽象的なイメージに対して、ファンシーでありながらもどこか憂いもある絶妙な世界観の作風のあめこさんはこのブレンドがとても似合うと感じたからです。

そもそも、なぜ8名も候補者が居たのかというところにも裏話があります笑
「木漏り唄」のパッケージクリエイターを探す中で、割と早い段階であめこさんにお願いしたいと決まっていたんです。
しかし、ちょうどその頃はあめこさんが創作活動以外のところでお忙しそうにされているご様子で、その兼ね合いもあり創作活動自体も少しお休みされている様にお見受けしました。
あめこさんにお願いしたいけど、雰囲気的に引き受けてもらえなさそうだなぁ・・・。っということで他の候補者を探した結果、なかなか決まらずに気付けば8名もの候補者から選ぶ形になりました。
結局、あめこさんにお願いしたいという結論に至り、ダメもとでお声掛けしたのがあめこさんとの出会いでした。
今だからこそ言える事ですが、まさか受けていただけるとは思ってもいなかったです笑
なので、お返事をいただいた時は結構な衝撃を受けました笑
「やった・・・。描いてもらえる・・・。」と思ったのを今でも鮮明に覚えています。

木陰の様にも星空の様にも見える幻想的なイラストはまさに「木漏り唄」のイメージそのもので、丁寧な書き込みにとても感動しました。
色遣いがとにかく綺麗で、登場人物たちの優しさとほんの少し憂いのある表情によってイラストの雰囲気が、見た時の気分によってガラッと変わる印象があります。
この繊細な世界観はあめこさんらしい作風だなぁと改めて感じます。
あめこさんの作品に対する真摯な姿にも身の引き締まる思いで、一つ一つの要素に込められた想いに触れる度に作品を生み出す熱量と愛情をひしひしと感じたのを鮮明に覚えています。
chunky cookieの「こうしたい!」という考えを一つ一つ丁寧に汲み取っていただき、明確な理由と共に細部にそれらを散りばめてくれる。
そんなイラストレーターさんです。

Vtuber・ネロちゃんとのコラボブレンド「白の旋律」でもあめこさんにパッケージイラストを担当していただきました。
オフィシャルのパッケージを採用したコラボブレンド「黒の指揮」に対して、chunky cookieらしさとネロちゃんらしさを織り交ぜたオフィシャルには無い世界観のパッケージを「白の旋律」では採用したかった。
定番ブレンドのパッケージクリエイターはもちろん、イラストコンテスト参加者(各賞受賞者のみならず、全参加者です。)も候補者として「白の旋律」のイラストをどなたにお願いするかをずっと考えていました。これは本当に迷いましたし、言い争いになりながらの選考でした。
最終的にあめこさんにお願いする事で意見がまとまりましたが、作風や世界観はもちろんの事。
chunky cookieの「こうしたい!」という考えを一つ一つ丁寧に汲み取っていただき、明確な理由と共に細部にそれらを散りばめてくれる。やはり、そこが決め手だったように感じます。


話が少し逸れましたが、このようにして「木漏り唄」は味とパッケージが決まり、2021年のGWの一週間程前にリリースを迎えました。

「木漏り唄」は淹れ方で遊び幅を持たせる事が出来るブレンドだと思います。
沸騰したての高温の湯でさっと落とすことで、柑橘系の香りと蜜のような優しい甘さが前に出ますし、90度程度に落とした(沸騰してから1分くらい放置)お湯を使いしっかりと蒸らした後に丁寧にドリップする事でメープル感の前に出た甘くてとろみのある仕上がりになります。
「木漏り唄」は遊び幅がありながらも、ゆるくて優しい甘さを損なう事は無いので改めて「木漏れ日の様に穏やかで、子守唄の様に優しい」ブレンドだなぁと感じます。

※現在、ブレンドセパージュを一部変更しております。
ブラジル・モンテアレグレ、コスタリカ・ドニャハエル、クレオパトラ、キリマンジャロを採用しています。

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お得なので、この期間中の購入をおススメしております。